本格水冷 その他の情報
更新 2020/04/21 MO-RA3の説明に詳細を追加更新 2020/04/25 QDCの説明を追加
更新 2020/11/20 Watercoolのサイトデザイン変更に伴うリンクを修正
更新 2022/06/06 水枕の互換性を確認できる項目のリンクを修正
Aquacomputerの製品について書いた当Blogの記事はこちら ⇒ ここ
目次
① Watercool MO-RA3について
② Watercool Heatkiller Tubeについて
③ Watercool HEATKILLER IV for Radeon RX 5700 / XT - ACETAL Niについて
④ KoolanceとAlphacoolのQuickdisconectについて
⑤ QDCと外ラジにするときに使用するブラケットの説明
以下のリンク先にあるレビューは丁寧で、高精細な写真が多くてとにかくわかりやすいです。
これらの製品以外でも多くのレビューがあります。
① Watercool MO-RA3のレビュー ⇒ ここ
このレビューに書いてありますが、MO-RAとは、Monster Radiatorの略です。ここには、MO-RA3の開発者のかたの書き込みがあって、
銅フィンのMO-RA3も試作してみたけど、誤差の範囲に収まる程度しか差がなかったので
価格を考えてフィンはアルミにしたとあります。
ちなみに、掲示板でも指摘されていますが、メーカーが想定しているMO-RA3の置き方は、
G1/4ポート(チューブの接続口)の位置は上ではなく左です。
※ MO-RA3の冷却フィンはアルミですがクーラントとは一切接触しないので電蝕しません。
クーラントが通る銅管は冷蔵庫などで使用されているものが36mほど使用されています。
念のため:
ラジを分解したら銅管がまるまる一本のまま36mも延々と巻かれているとかではなく、
経路は複数に分割されています。(詳しくは上のリンク先のレビューを参照してください)
私見:
MO-RA3より冷える構成を組むこともできますが(ラジを複数個直列など)、
手が届く価格とラジはこれだけで済むという運用のしやすさが便利だと思っています。
購入されるかたへの注意事項:
MO-RA3は、本体だけで1L以上のクーラントを使用します。足りなくならないように気を付けてください。(公式説明書の、2ページ目) 360は 1.1L、420は 1.4L ⇒ ここ
本体だけで 360は6.0Kg、420は7.5Kgありますが、クーラントがこれだけ入りますのでさらに重くなります。
本体だけで 360は6.0Kg、420は7.5Kgありますが、クーラントがこれだけ入りますのでさらに重くなります。
各バリエーションの説明
LTとPROの違い
・片面(Push or Pull)にFanを付けるための金具しか同梱されていない ⇒ LT
・両面(Push&Pull)にFanを付けるための金具が同梱されている ⇒ PRO
備考:
LTでも別売りの金具を買えばPROになります。
360専用の追加金具 (Product no.: 22205) ⇒ ここ
420専用の追加金具 (Product no.: 22206) ⇒ ここ
PROもこの金具を付けなければLTです。
(ベースになっているLTに+αとしてこの金具を付けることで、PROになる)
(ベースになっているLTに+αとしてこの金具を付けることで、PROになる)
Fanを付けられる数
・360 LT ⇒ 120mm Fanを片面に9個
・360 PRO ⇒ 120mm Fanを片面9個ずつ、両面で合計 18個
・420 LT ⇒ 140mm Fanを片面に9個
・420 PRO ⇒ 140mm Fanを片面9個ずつ、両面で合計 18個
別売りのFan取付金具(MO-RA3 420 Bracket for 180-230 mm Fans)を使う場合 ※360には使用不可
この金具を使うと140mm Fan x9の代わりに、180mmから230mmのFanを4つ付けることができるようになります。
私は、140mm Fan x9(or x18)の時点で(予算的に)無理!ってことで諦めて、このブラケットを使用しています。(230mm Fan x4)
PWM対応Fanを必要な数だけ揃えると、ラジ本体の価格を超えてしまうことに耐えられませんでした...。
PWM対応Fanを必要な数だけ揃えると、ラジ本体の価格を超えてしまうことに耐えられませんでした...。
(値段的に)国内で230mm Fanを買うことは早い段階で諦めて、
PPCSのクーポンを待ちつつ、お手頃価格で買えるのを待ちながら、(送料をかけても)いいと思える製品と一緒に買おうと思って、サーキューレーターをFanの代わりにすることで半年くらい使っていました。
豆知識的ななにか:
・ラジにFanを付けるとき、ガスケット(パッキン?)を挟まないと、ラジとFanの隙間から空気を吸い込んで埃が詰まるし、風も漏れます。しかし、このガスケットを必要な枚数だけ買うと結構いいお値段になります。
代用品として100円ショップの台所用品コーナーに行くと、シリコンシートがあります。 ⇒ ここ
代用品として100円ショップの台所用品コーナーに行くと、シリコンシートがあります。 ⇒ ここ
これを適当に切って挟み込んでやるといい感じに代用できるのでおススメです。
また、挟みこむときにシートが剥がれてきてしまってねじ止めしにくいときは、(接着剤や両面テープではなく)のりで仮止めしておくと作業しやすくなります。
(のりなら剥がしやすくて、濡れ雑巾で拭けば綺麗になる)
ちなみに、このシートは本来の用途(クッキーの生地を広げるとか)として使ってもかなり便利です。
(のりなら剥がしやすくて、濡れ雑巾で拭けば綺麗になる)
ちなみに、このシートは本来の用途(クッキーの生地を広げるとか)として使ってもかなり便利です。
・埃防止に100円ショップのフィルターを使うのはよくありますが、もっと風が通るようにしたい場合は、目が細かい網戸用の張替えネットも結構おススメです。
(集塵効果は落ちますが、そのぶんフィルターほど目が細かくないので風の通りがイイ)
(集塵効果は落ちますが、そのぶんフィルターほど目が細かくないので風の通りがイイ)
Black、White、stainless steelの違い
ラジのコアになる部分は同じですが、外装が違います。
・MO-RA3 360 Core (Product no.: 22015) ⇒ ここ
・MO-RA3 420 Core (Product no.: 22095) ⇒ ここ
想像以上に、MO-RA3は大きくて存在を主張しますので、stainless steelをおススメします。
(と言いつつ、私はWhite...)
② Watercool Heatkiller Tubeのレビュー ⇒ ここ
このメーカーと、AquacomputerとXSPCのリザーバーは、筒の部分が一般的なアクリルではなく、ガラス製です。そのため、色付きのクーラントを使用しても色移りがありません。(実のところ、アクリル製のリザーバーも10年以上使用していますが色移りはありません)
洗うのも簡単ですし、内部に撥水コートを使用して水が綺麗に流れ落ちるようにする場合に、アルコールが含まれているかの有無を一切気にしなくても済むので気が楽です。
撥水コート剤のオススメは ⇒ ここ ※このコート剤の主成分は、アルコール系なので注意!
(自動車用の撥水剤でも大丈夫(ガラコとか)ですが、この製品はとにかく撥水効果が長持ちします)
水枕や経路のどこかにアクリルな場所がある場合は、念のためこのリザーバーを使用していても撥水コート処理はしないでください。
※注意!
アクリルにアルコールを付着させるとまず間違いなく亀裂が入ったり割れたりします。
間違ってもウェットティッシュなどで拭かないでください。
同様に、溶剤にアルコールが入っている撥水コート剤も絶対に使わないでください。
ガラス製リザーバーの欠点
重いです。アクリル製のに比べてとにかく重いです。
自重があるので、共振や防振の面からみて利点かもしれませんが...。
それと、(私がチキンなせいかもしれませんが)お手軽に漏れを調べられるリークテスターを使う気になれません。(ありえないとはわかっていても空気をいれすぎて爆散しそうでこわい)
ガラスは、炭酸飲料の瓶として長年使われていて実績があるのもわかってはいますが、無理でした。Aquacomputerもリークテスターを発売していますので、この組み合わせに問題がないことはわかるんですが、やっぱり私には無理でした。(チキン極まれり)
③ Watercool HEATKILLER IV for Radeon RX 5700 / XT - ACETAL Ni ⇒ ここ
POM(アセタール)ではない、アクリルverもあります。⇒ こここの水枕を使用する場合、バックプレートに注意してください。
・Watercoolが用意している専用のバックプレートを使用する場合。 ⇒ ここ
・純正(デフォルト)のバックプレートを使用する場合。⇒ ここ
純正のバックプレートを使用するには、ねじ穴をドリルで広げる必要があります。
このキットは、ドリルのビットとねじがセットになっています。
参考までに:
水枕の互換性を確認できる場所
EK ⇒ ここ
Alphacool ⇒ ここ
Corsair ⇒ ここ
Watercool ⇒ ここ にある "GPU compatibility" と "Mainboard compatibility"
④ KoolanceとAlphacoolのQuickdisconectのレビュー ⇒ ここ
QDCの分解写真があります。どんな構造なのかとても分かり易いです。注意その1!
途中の写真に傷だらけのQDCがありますが、これは分解の過程でついた傷です。
(とても大変だったらしい)
注意その2!
内部のEPDM(ゴムパッキン)が傷むので、乾燥した状態でオスメスをかみ合わせないこと!
注意その3!
乾燥した状態(未使用時)で保存するときは、EPDMがへたるのでオスメスをかみ合わせた状態ではなく個別に保管すること!
参考までに:
自転車のバルブにプラスチックのキャップをきちんとして外気との対流を遮断するだけで、あからさまに虫ゴムの劣化具合が変わります。
これと同じことがフィッティングのO-ringにもいえますので、必ず空気の対流を断って保管してください。私は、100円ショップで売っているZipロックもどきに入れて空気を(可能な限り)抜いてチャックを閉めて保管しています。
余っていたフィッティングを数のうちにいれていて、
組む直前にO-ringがヘタってることに気が付いた...などを避けるためにも保管には気をつけてください。
⑤ QDCと外ラジにするときに使用するブラケットの説明
Koolanceの扱っているQDCの全一覧 ⇒ ここ
・High PressureとLow Pressureの違い
Highが、10kgf/cm2 (142psi) QD3HとQD4Hシリーズ
Lowが、0.5kgf/cm2 (7psi) QD3とQD4シリーズ
Lowの例だと、0.5kgf/cm2 (7psi)までの圧力なら(Pumpを止めずに水が流れている状態で)切断しても水漏れしないよって意味です。
Pumpを止めてからコネクタの切断をすることができるなら、High Pressureシリーズを選ぶ必要はありません。
豆知識:
切断するとき(チューブ内に圧が残っていると)ほんの少し(数滴とかそれ以下のレベル)、漏れるというか水が飛ぶことがあります。
そのため、Pumpを止めて切断する準備ができたら、一手間かけてでもリザーバーの蓋を開けて流路内の圧を抜くか、事前に(一般的にはリザーバーの上蓋)圧力弁を組み込んでおくとラクです。
ただし、これらの対策をしても飛ぶことがあるので注意してください。
(私は、キッチンペーパーで包んでから切断しています)
また、切断時にメスからオスに飛ぶので、ブラケットなどを使用して内外に水路を通すとき、PC側にメス、ホース側にオスを割り当てておくとPCに水滴が飛ぶ心配をしなくてすみます。
・QD1、QD2、QD3、QD4の違い
QD1: 1/8"(3mm)、QD2: 1/4"(6mm)、QD3: ID 3/8"(10mm)かID 1/2"(13mm)、QD4: 1/2"(13mm)
使用しているチューブ(ホース)のID(内径)で選びます。
なぜ4種類もあるのかの説明:
黎明期: 記憶がかなり曖昧... すでに現物が手元に残っていないので謎
黄金なんとか(チューブはシリコン製で水槽用の空気ポンプと同じだった)
第一世代: PC用水冷の初期(3R SYSTEMSのPOSEIDON)
第二世代: 工業用途で使われていた空気用配管を流用。(QD1やQD2シリーズ)
ただし、空気ではなく水を通すと無視できないほどの圧力損失がある。
第三世代: これらの試行錯誤を経て今では定番になっているID 3/8"(10mm) (QD3シリーズ)
第三世代派生: ID 1/2"(13mm)も最近増えてきました。(QD4シリーズ)
ID 3/8"(10mm)は、10年以上も主流です。そのためフィッティングの選択肢が一番多いです。
QD3、QD4は、QD1、QD2より改善されていますが、平均的なCPUの水枕程度の圧損はあります。
流量不足であきらかに排熱が追いついていない場合は、PumpをDual化することも考慮してください。
また、4ペア以上使う予定がある場合は、最初からPumpのDual化を考慮してループを組むことを考えておくといいかもしれません。(一般的にQDCの使用数は、1Loopで1~3ペア程度です)
・G 1/4 BSP(G 1/4 BSPPと表記されることもあり) と G 1/4 NPTの違い
水冷の場合、BSPとNPTはO-ringの収まる位置が違うだけです。(首元か首下)
基本的に、ここ10年以内に組んでいる場合は、G 1/4 BSPです。
Swiftechなどの少数のメーカーが昔の製品(Radeon HD4850の水枕あたりが最後だと思う)でNPTを採用していましたが、現行商品ではないので気にしなくても問題ありません。
そのため間違って、NPTのを買ってしまわないように注意してください。
把握している限りでは、
EK、Bitspower、watercool、aquacomputer、thermaltake、corsair、bykski、barrow、barrowchは全部BSPです。
・インチとmmの変換表
1 inch(1")は、25.4mm
1/4" は 25.4÷4×1 = 6.35mm
3/8” は 25.4÷8×3 = 9.525mm ⇒ 10mm(一般的な表記)、9.5mm(偶にある)
1/2" は 25.4÷2×1 = 12.7mm ⇒ 13mm(一般的な表記)
5/8" は 25.4÷8×5 = 15.875mm
前置きはここまでにして、一番種類が豊富なQD3をメインに説明していきます。
また、切断するときにPumpを止めることができる環境を前提にしますので、
High Pressure系の説明はありません。
QD3の一覧 ⇒ ここ
一覧にある製品の説明
・ID: 10mm (3/8in) ⇒ チューブの内径
・ID: 13mm (1/2in) ⇒ チューブの内径
・Threaded ⇒ カップリング(ペア)の反対側がねじ山なタイプ(対象はBSPで、NPTじゃないよ!)
※ QDCは、Female(メス)とMale(オス)を必ずセットで使用します。(1ペア)
KoolanceのサイトにあるCAD図面(.step)は、STP Viewerなどで見ることができます。 ⇒ ここ
種類が豊富すぎて慣れるまで迷うと思うので、フローチャート的なもの
① まず、QDCのオスかメスかを決める ⇒
② メスならオスの反対側に繋げたいものはなにか? ⇒
② オスならメスの反対側に繋げたいものはなにか? ⇒
③ チューブを繋げたい ⇒ コンプレッション か バーブ
③ ネジに繋げたい ⇒ G 1/4 BSP
製品名に"Compression"が入っているもの
チューブの間にQDCを挟んでチューブ同士で切断したり、ペアの片方にチューブを繋ぎたい場合に使用します。
※ Compression(コンプレッション)は、フェルールレス と呼ばれることもあります。
・QD3 Female Quick Disconnect No-Spill Coupling, Compression for 10mm x 13mm
(3/8in x 1/2in) ⇒ ここ
QD3側がメスで、チューブ側はコンプレッション
メモ: コンプレッションなので、使用できるチューブは、10mm x 13mm(3/8" x 1/2")だけです。
・QD3 Male Quick Disconnect No-Spill Coupling, Compression for 10mm x 13mm
(3/8in x 1/2in) ⇒ ここ
QD3側がオスで、チューブ側はコンプレッション
メモ: コンプレッションなので、使用できるチューブは、10mm x 13mm(3/8" x 1/2")だけです。
製品名に"Threaded"が入っているもの
ラジエーターやリザーバなどのねじが切ってあるG 1/4の部分にネジ止めするか、PCI(PCIe)ブラケットの隔壁にネジ止めして使用するタイプ・QD3 Female Quick Disconnect No-Spill Coupling, Male Threaded G 1/4 BSPP ⇒ ここ
QD3側がメスで、反対側が G 1/4 BSPPのオスねじ
・QD3 Male Quick Disconnect No-Spill Coupling, Male Threaded G 1/4 BSPP ⇒ ここ
QD3側がオスで、反対側が G 1/4 BSPPのオスねじ
PCI(PCIe) SLOTを使って水路を通すためのブラケット
・Aquacomputer
⇒ ここ (チューブだけを通すブラケット)
⇒ ここ (チューブと配線を通せるブラケット)
・Koolance ⇒ ここ
・WATERCOOL⇒ ここ
製品名に"Panel"が入っているもの
パネルに穴をあけて通したあとにナットで固定するタイプこのタイプのものを使用するには、パネル(ケース)に自分で穴をあける必要があります。
"ステップドリル" ⇒ ここ を使用すると、簡単に穴をあけることができます。
※ 必要な穴の大きさは、各QDCのFilesの所にあるものをDownloadして確認してください。
・QD3 Female Quick Disconnect No-Spill Coupling, Panel Barb for ID 10mm (3/8in) ⇒ ここ
QD3側がメスで、パネルに通した先のチューブの接続口はバーブ
メモ: 付属のホースクランプでホースの根元を必ず締めること
バーブなので、チューブの外径(OD)に制限はありません。(1/2" や 5/8" でも大丈夫)
・QD3 Male Quick Disconnect No-Spill Coupling, Panel Barb for ID 10mm (3/8in) ⇒ ここ
QD3側がオスで、パネルに通した先のチューブの接続口はバーブ
メモ: 付属のホースクランプでホースの根元を必ず締めること
バーブなので、チューブの外径(OD)に制限はありません。(1/2" や 5/8" でも大丈夫)
・QD3 Female Quick Disconnect No-Spill Coupling, Panel Female Threaded G 1/4 BSPP
⇒ ここ
QD3側がメスで、パネルに通した先のG 1/4 BSPPのオスねじにフィッティングなどを付けるタイプ(通した先にハードチューブのフィッティングを使いたい場合などで使用します)
※ 通した先のG 1/4 BSPPはオスねじなので注意!
・QD3 Male Quick Disconnect No-Spill Coupling, Panel Female Threaded G 1/4 BSPP
⇒ ここ
QD3側がオスで、パネルに通した先のG 1/4 BSPPのオスねじにフィッティングなどを付けるタイプ(通した先にハードチューブのフィッティングを使いたい場合などで使用します)
※ 通した先のG 1/4 BSPPはオスねじなので注意!
0 件のコメント:
コメントを投稿