2020年4月18日土曜日

watercool 本格水冷 - その他

本格水冷 その他の情報

更新 2020/04/21 MO-RA3の説明に詳細を追加
更新 2020/04/25 QDCの説明を追加
更新 2020/11/20 Watercoolのサイトデザイン変更に伴うリンクを修正
更新 2022/06/06 水枕の互換性を確認できる項目のリンクを修正

Aquacomputerの製品について書いた当Blogの記事はこちらここ

目次
① Watercool MO-RA3について
② Watercool Heatkiller Tubeについて
③ Watercool HEATKILLER IV for Radeon RX 5700 / XT - ACETAL Niについて
④ KoolanceとAlphacoolのQuickdisconectについて
⑤ QDCと外ラジにするときに使用するブラケットの説明

以下のリンク先にあるレビューは丁寧で、高精細な写真が多くてとにかくわかりやすいです。
これらの製品以外でも多くのレビューがあります。

  ① Watercool MO-RA3のレビュー ⇒ ここ

このレビューに書いてありますが、MO-RAとは、Monster Radiatorの略です。
ここには、MO-RA3の開発者のかたの書き込みがあって、
銅フィンのMO-RA3も試作してみたけど、誤差の範囲に収まる程度しか差がなかったので
価格を考えてフィンはアルミにしたとあります。
ちなみに、掲示板でも指摘されていますが、メーカーが想定しているMO-RA3の置き方は、
G1/4ポート(チューブの接続口)の位置は上ではなく左です。

※ MO-RA3の冷却フィンはアルミですがクーラントとは一切接触しないので電蝕しません。
クーラントが通る銅管は冷蔵庫などで使用されているものが36mほど使用されています。

念のため:
ラジを分解したら銅管がまるまる一本のまま36mも延々と巻かれているとかではなく、
経路は複数に分割されています。(詳しくは上のリンク先のレビューを参照してください)

私見:
MO-RA3より冷える構成を組むこともできますが(ラジを複数個直列など)、
手が届く価格とラジはこれだけで済むという運用のしやすさが便利だと思っています。

購入されるかたへの注意事項:
MO-RA3は、本体だけで1L以上のクーラントを使用します。足りなくならないように気を付けてください。(公式説明書の、2ページ目) 360は 1.1L、420は 1.4L ⇒ ここ
本体だけで 360は6.0Kg、420は7.5Kgありますが、クーラントがこれだけ入りますのでさらに重くなります。

各バリエーションの説明
ラジ本体の大きさの違いで2種類あります。
・360 (MO-RA3 360の製品一覧) ⇒ ここ
・420 (MO-RA3 420の製品一覧) ⇒ ここ

LTとPROの違い
・片面(Push or Pull)にFanを付けるための金具しか同梱されていない ⇒ LT
・両面(Push&Pull)にFanを付けるための金具が同梱されている ⇒ PRO

備考:
LTでも別売りの金具を買えばPROになります。
360専用の追加金具 (Product no.: 22205) ⇒ ここ
420専用の追加金具 (Product no.: 22206) ⇒ ここ
PROもこの金具を付けなければLTです。
(ベースになっているLTに+αとしてこの金具を付けることで、PROになる)

Fanを付けられる数
・360 LT ⇒ 120mm Fanを片面に9個
・360 PRO ⇒ 120mm Fanを片面9個ずつ、両面で合計 18個
・420 LT ⇒ 140mm Fanを片面に9個
・420 PRO ⇒ 140mm Fanを片面9個ずつ、両面で合計 18個

別売りのFan取付金具(MO-RA3 420 Bracket for 180-230 mm Fans)を使う場合 ※360には使用不可
・420専用のFan取付金具 (Product no.: 22140) ⇒ ここ
この金具を使うと140mm Fan x9の代わりに、180mmから230mmのFanを4つ付けることができるようになります。
私は、140mm Fan x9(or x18)の時点で(予算的に)無理!ってことで諦めて、このブラケットを使用しています。(230mm Fan x4)
PWM対応Fanを必要な数だけ揃えると、ラジ本体の価格を超えてしまうことに耐えられませんでした...。

(値段的に)国内で230mm Fanを買うことは早い段階で諦めて、
PPCSのクーポンを待ちつつ、お手頃価格で買えるのを待ちながら、(送料をかけても)いいと思える製品と一緒に買おうと思って、サーキューレーターをFanの代わりにすることで半年くらい使っていました。

豆知識的ななにか:
・ラジにFanを付けるとき、ガスケット(パッキン?)を挟まないと、ラジとFanの隙間から空気を吸い込んで埃が詰まるし、風も漏れます。しかし、このガスケットを必要な枚数だけ買うと結構いいお値段になります。
代用品として100円ショップの台所用品コーナーに行くと、シリコンシートがあります。 ⇒ ここ
これを適当に切って挟み込んでやるといい感じに代用できるのでおススメです。
また、挟みこむときにシートが剥がれてきてしまってねじ止めしにくいときは、(接着剤や両面テープではなく)のりで仮止めしておくと作業しやすくなります。
(のりなら剥がしやすくて、濡れ雑巾で拭けば綺麗になる)
ちなみに、このシートは本来の用途(クッキーの生地を広げるとか)として使ってもかなり便利です。
・埃防止に100円ショップのフィルターを使うのはよくありますが、もっと風が通るようにしたい場合は、目が細かい網戸用の張替えネットも結構おススメです。
(集塵効果は落ちますが、そのぶんフィルターほど目が細かくないので風の通りがイイ)

Black、White、stainless steelの違い
ラジのコアになる部分は同じですが、外装が違います。
・MO-RA3 360 Core (Product no.: 22015) ⇒ ここ
・MO-RA3 420 Core (Product no.: 22095) ⇒ ここ

想像以上に、MO-RA3は大きくて存在を主張しますので、stainless steelをおススメします。
(と言いつつ、私はWhite...)

  ② Watercool Heatkiller Tubeのレビュー ⇒ ここ

このメーカーと、AquacomputerとXSPCのリザーバーは、筒の部分が一般的なアクリルではなく、ガラス製です。そのため、色付きのクーラントを使用しても色移りがありません。
(実のところ、アクリル製のリザーバーも10年以上使用していますが色移りはありません)
洗うのも簡単ですし、内部に撥水コートを使用して水が綺麗に流れ落ちるようにする場合に、アルコールが含まれているかの有無を一切気にしなくても済むので気が楽です。
撥水コート剤のオススメは ⇒ ここ ※このコート剤の主成分は、アルコール系なので注意!
(自動車用の撥水剤でも大丈夫(ガラコとか)ですが、この製品はとにかく撥水効果が長持ちします)

水枕や経路のどこかにアクリルな場所がある場合は、念のためこのリザーバーを使用していても撥水コート処理はしないでください。

※注意!
アクリルにアルコールを付着させるとまず間違いなく亀裂が入ったり割れたりします。
間違ってもウェットティッシュなどで拭かないでください。
同様に、溶剤にアルコールが入っている撥水コート剤も絶対に使わないでください。

ガラス製リザーバーの欠点
重いです。アクリル製のに比べてとにかく重いです。
自重があるので、共振や防振の面からみて利点かもしれませんが...。
それと、(私がチキンなせいかもしれませんが)お手軽に漏れを調べられるリークテスターを使う気になれません。(ありえないとはわかっていても空気をいれすぎて爆散しそうでこわい)
ガラスは、炭酸飲料の瓶として長年使われていて実績があるのもわかってはいますが、無理でした。Aquacomputerもリークテスターを発売していますので、この組み合わせに問題がないことはわかるんですが、やっぱり私には無理でした。(チキン極まれり)

  ③ Watercool HEATKILLER IV for Radeon RX 5700 / XT - ACETAL Ni ⇒ ここ

POM(アセタール)ではない、アクリルverもあります。⇒ ここ
この水枕を使用する場合、バックプレートに注意してください。

・Watercoolが用意している専用のバックプレートを使用する場合。 ⇒ ここ

・純正(デフォルト)のバックプレートを使用する場合。⇒ ここ
純正のバックプレートを使用するには、ねじ穴をドリルで広げる必要があります。
このキットは、ドリルのビットとねじがセットになっています。

参考までに:
水枕の互換性を確認できる場所
EK ⇒  ここ
Alphacool ⇒ ここ
Corsair ⇒ ここ
Watercool ⇒ ここ にある "GPU compatibility" と "Mainboard compatibility"

  ④ KoolanceとAlphacoolのQuickdisconectのレビュー ⇒ ここ

QDCの分解写真があります。どんな構造なのかとても分かり易いです。

注意その1!
途中の写真に傷だらけのQDCがありますが、これは分解の過程でついた傷です。
(とても大変だったらしい)

注意その2!
内部のEPDM(ゴムパッキン)が傷むので、乾燥した状態でオスメスをかみ合わせないこと!

注意その3!
乾燥した状態(未使用時)で保存するときは、EPDMがへたるのでオスメスをかみ合わせた状態ではなく個別に保管すること!

参考までに:
自転車のバルブにプラスチックのキャップをきちんとして外気との対流を遮断するだけで、あからさまに虫ゴムの劣化具合が変わります。
これと同じことがフィッティングのO-ringにもいえますので、必ず空気の対流を断って保管してください。私は、100円ショップで売っているZipロックもどきに入れて空気を(可能な限り)抜いてチャックを閉めて保管しています。
余っていたフィッティングを数のうちにいれていて、
組む直前にO-ringがヘタってることに気が付いた...などを避けるためにも保管には気をつけてください。

  ⑤ QDCと外ラジにするときに使用するブラケットの説明


Koolanceの扱っているQDCの全一覧 ⇒ ここ
・High PressureとLow Pressureの違い
Highが、10kgf/cm2 (142psi) QD3HとQD4Hシリーズ
Lowが、0.5kgf/cm2 (7psi) QD3とQD4シリーズ

Lowの例だと、0.5kgf/cm2 (7psi)までの圧力なら(Pumpを止めずに水が流れている状態で)切断しても水漏れしないよって意味です。
Pumpを止めてからコネクタの切断をすることができるなら、High Pressureシリーズを選ぶ必要はありません。

豆知識:
切断するとき(チューブ内に圧が残っていると)ほんの少し(数滴とかそれ以下のレベル)、漏れるというか水が飛ぶことがあります。
そのため、Pumpを止めて切断する準備ができたら、一手間かけてでもリザーバーの蓋を開けて流路内の圧を抜くか、事前に(一般的にはリザーバーの上蓋)圧力弁を組み込んでおくとラクです。
ただし、これらの対策をしても飛ぶことがあるので注意してください。
(私は、キッチンペーパーで包んでから切断しています)
また、切断時にメスからオスに飛ぶので、ブラケットなどを使用して内外に水路を通すとき、PC側にメス、ホース側にオスを割り当てておくとPCに水滴が飛ぶ心配をしなくてすみます。

・QD1、QD2、QD3、QD4の違い
QD1: 1/8"(3mm)、QD2: 1/4"(6mm)、QD3: ID 3/8"(10mm)かID 1/2"(13mm)、QD4: 1/2"(13mm)
使用しているチューブ(ホース)のID(内径)で選びます。

なぜ4種類もあるのかの説明:
黎明期: 記憶がかなり曖昧... すでに現物が手元に残っていないので謎
黄金なんとか(チューブはシリコン製で水槽用の空気ポンプと同じだった)
第一世代: PC用水冷の初期(3R SYSTEMSのPOSEIDON)
第二世代: 工業用途で使われていた空気用配管を流用。(QD1やQD2シリーズ)
ただし、空気ではなく水を通すと無視できないほどの圧力損失がある。
第三世代: これらの試行錯誤を経て今では定番になっているID 3/8"(10mm) (QD3シリーズ)
第三世代派生: ID 1/2"(13mm)も最近増えてきました。(QD4シリーズ)

ID 3/8"(10mm)は、10年以上も主流です。そのためフィッティングの選択肢が一番多いです。
QD3、QD4は、QD1、QD2より改善されていますが、平均的なCPUの水枕程度の圧損はあります。
流量不足であきらかに排熱が追いついていない場合は、PumpをDual化することも考慮してください。
また、4ペア以上使う予定がある場合は、最初からPumpのDual化を考慮してループを組むことを考えておくといいかもしれません。(一般的にQDCの使用数は、1Loopで1~3ペア程度です)

・G 1/4 BSP(G 1/4  BSPPと表記されることもあり) と G 1/4 NPTの違い
水冷の場合、BSPとNPTはO-ringの収まる位置が違うだけです。(首元か首下)
基本的に、ここ10年以内に組んでいる場合は、G 1/4 BSPです。
Swiftechなどの少数のメーカーが昔の製品(Radeon HD4850の水枕あたりが最後だと思う)でNPTを採用していましたが、現行商品ではないので気にしなくても問題ありません。
そのため間違って、NPTのを買ってしまわないように注意してください。
把握している限りでは、
EK、Bitspower、watercool、aquacomputer、thermaltake、corsair、bykski、barrow、barrowchは全部BSPです。

・インチとmmの変換表
1 inch(1")は、25.4mm
1/4" は 25.4÷4×1 = 6.35mm
3/8” は 25.4÷8×3 = 9.525mm ⇒ 10mm(一般的な表記)、9.5mm(偶にある)
1/2" は 25.4÷2×1 = 12.7mm ⇒ 13mm(一般的な表記)
5/8" は 25.4÷8×5 = 15.875mm


前置きはここまでにして、一番種類が豊富なQD3をメインに説明していきます。
また、切断するときにPumpを止めることができる環境を前提にしますので、
High Pressure系の説明はありません。

QD3の一覧 ⇒ ここ
一覧にある製品の説明
・ID: 10mm (3/8in) ⇒ チューブの内径
・ID: 13mm (1/2in) ⇒ チューブの内径
・Threaded ⇒ カップリング(ペア)の反対側がねじ山なタイプ(対象はBSPで、NPTじゃないよ!)

※ QDCは、Female(メス)とMale(オス)を必ずセットで使用します。(1ペア)

KoolanceのサイトにあるCAD図面(.step)は、STP Viewerなどで見ることができます。 ⇒ ここ

種類が豊富すぎて慣れるまで迷うと思うので、フローチャート的なもの

① まず、QDCのオスかメスかを決める ⇒

② メスならオスの反対側に繋げたいものはなにか? ⇒
② オスならメスの反対側に繋げたいものはなにか? ⇒

③ チューブを繋げたい ⇒ コンプレッション か バーブ
③ ネジに繋げたい ⇒ G 1/4 BSP

製品名に"Compression"が入っているもの

チューブの間にQDCを挟んでチューブ同士で切断したり、
ペアの片方にチューブを繋ぎたい場合に使用します。
※ Compression(コンプレッション)は、フェルールレス と呼ばれることもあります。

・QD3 Female Quick Disconnect No-Spill Coupling, Compression for 10mm x 13mm
(3/8in x 1/2in) ⇒ ここ
QD3側がメスで、チューブ側はコンプレッション
メモ: コンプレッションなので、使用できるチューブは、10mm x 13mm(3/8" x 1/2")だけです。

・QD3 Male Quick Disconnect No-Spill Coupling, Compression for 10mm x 13mm
(3/8in x 1/2in) ⇒ ここ
QD3側がオスで、チューブ側はコンプレッション
メモ: コンプレッションなので、使用できるチューブは、10mm x 13mm(3/8" x 1/2")だけです。

製品名に"Threaded"が入っているもの

ラジエーターやリザーバなどのねじが切ってあるG 1/4の部分にネジ止めするか、PCI(PCIe)ブラケットの隔壁にネジ止めして使用するタイプ

・QD3 Female Quick Disconnect No-Spill Coupling, Male Threaded G 1/4 BSPP ⇒ ここ
QD3側がメスで、反対側が G 1/4 BSPPのオスねじ

・QD3 Male Quick Disconnect No-Spill Coupling, Male Threaded G 1/4 BSPP ⇒ ここ
QD3側がオスで、反対側が G 1/4 BSPPのオスねじ

PCI(PCIe) SLOTを使って水路を通すためのブラケット
・Aquacomputer
 ⇒ ここ (チューブだけを通すブラケット)
 ⇒ ここ (チューブと配線を通せるブラケット)
・Koolance ⇒ ここ
・WATERCOOL⇒ ここ

製品名に"Panel"が入っているもの

パネルに穴をあけて通したあとにナットで固定するタイプ
このタイプのものを使用するには、パネル(ケース)に自分で穴をあける必要があります。
"ステップドリル" ⇒ ここ を使用すると、簡単に穴をあけることができます。
※ 必要な穴の大きさは、各QDCのFilesの所にあるものをDownloadして確認してください。

・QD3 Female Quick Disconnect No-Spill Coupling, Panel Barb for ID 10mm (3/8in) ⇒ ここ
QD3側がメスで、パネルに通した先のチューブの接続口はバーブ
メモ: 付属のホースクランプでホースの根元を必ず締めること
バーブなので、チューブの外径(OD)に制限はありません。(1/2" や 5/8" でも大丈夫)

・QD3 Male Quick Disconnect No-Spill Coupling, Panel Barb for ID 10mm (3/8in) ⇒ ここ
QD3側がオスで、パネルに通した先のチューブの接続口はバーブ
メモ: 付属のホースクランプでホースの根元を必ず締めること
バーブなので、チューブの外径(OD)に制限はありません。(1/2" や 5/8" でも大丈夫)

・QD3 Female Quick Disconnect No-Spill Coupling, Panel Female Threaded G 1/4 BSPP
ここ
QD3側がメスで、パネルに通した先のG 1/4 BSPPのオスねじにフィッティングなどを付けるタイプ(通した先にハードチューブのフィッティングを使いたい場合などで使用します)
※ 通した先のG 1/4 BSPPはオスねじなので注意!

・QD3 Male Quick Disconnect No-Spill Coupling, Panel Female Threaded G 1/4 BSPP
ここ
QD3側がオスで、パネルに通した先のG 1/4 BSPPのオスねじにフィッティングなどを付けるタイプ(通した先にハードチューブのフィッティングを使いたい場合などで使用します)
※ 通した先のG 1/4 BSPPはオスねじなので注意!

2020年4月17日金曜日

watercool 本格水冷 - aquacomputer

aqua computerの製品について

公開(Release) 2020/04/17 23:32(JST) [YYYY/MM/DD]
追加(Add) D5 NEXTなどに詳細な説明を追加 2020/04/21
修正(Neat) 誤字脱字の修正と内容の整理 2020/04/27
追加(Add) 注意事項を追加(farbwerk 360) 2020/04/29
追加(Add) D5 NEXTにさらに詳細な説明を追加 2020/11/15
修正(Neat) 誤字脱字の修正と内容の整理 2021/06/05

MO-RA3やQDCなどについて書いた当Blogの記事はこちら ここ

aquaeroとaquacomupterの製品でFanのコントロールを統一して、
PumpもD5 NEXTに交換しようと思って調べていました。

まずは、備忘録として調べたことをメモ代わりに書いておくことにします。

aquacomupterのpdfマニュアル ⇒ ここ
aquacomupterの英語フォーラム ⇒ ここ
aquacomupterのドイツ語フォーラム ⇒ ここ

この備忘録は、主にこの三か所からの情報を基にしています。
実機での確認がまだできていないので、もし間違っているところがありましたら、
このページの下部にあるコメントで教えて頂けると助かります。

I'm speak Japanese(native), English(r/w ok but broken like) and German(read only).
If there are any mistakes in the content, please email or comment.
yohru7あっとまーくgmail.com [Replace あっとまーく with @]


目次
① Fanの分岐(4ピン)ケーブルとaquabusの分岐(4ピン)ケーブルの違いについて
② aquabusについて
③ aquabusの3ピンと4ピンケーブルの違いについて
④ フローセンサーについて
⑤ Calitemp digital temperature sensor internal/external thread G1/4 for aquaero 5/6について
⑦ SPLITTY9 splitter for up to 9 fans or aquabus devices と
SPLITTY9 ACTIVE - active splitter for up to 9 PWM fans の違いについて
⑧ HUBBY7 internal USB 2.0 Hubについて
⑨ aquaero LT、PRO、XTの違いについて
⑩ aquaeroへaquabus経由で機器を繋ぐ利点
⑪ aquaeroとOCTO、QUADROの違い
⑫ poweradjust 3 USBについて
⑬ aquaeroでマイナス要素と思うところ
⑭ D5 NEXT Pumpについて


購入を予定しているもの(数字は、プロダクトNo)

・aquaero XT - 53251 ⇒ ここ
・Passive heat sink for aquaero 6, black - 53164 ⇒ ここ
・Waterblock for aquaero 5, G1/4 - 53093 ⇒ ここ
・ULTITUBE D5 150 PRO reservoir with D5 NEXT pump - 34110 ⇒ ここ
・Mounting bracket 140 mm fan mount for ULTITUBE D5 reservoir - 34113 ⇒ ここ
・HUBBY7 internal USB 2.0 Hub - 53230 ⇒ ここ
・Flow Rate Sensor MPS Flow 400 G1/4 - 53132 ⇒ ここ
・aquabus X4 for aquaero 5/6 - 53258 ⇒ ここ
・Calitemp digital temperature sensor internal/external thread G1/4  を2個 - 53257 ⇒ ここ
・Aquabus Cable 4-Pin  - 53122 ⇒ ここ
・aquabus cable 4 pins for VISION, OCTO, QUADRO, D5 NEXT - 53214 ⇒ ここ
・aquabus Y-connector 4 pins -53124 ⇒ ここ
・SPLITTY9 splitter for up to 9 fans or aquabus devices  を2個 - 53231 ⇒ ここ
・Y-splitter for 4-pin fans  を2個 - 53248 ⇒ ここ
・farbwerk 360 - 53279 ⇒ ここ

サイトで、全製品揃って在庫"あり"になるのを待つこと早数ヵ月数... 夏が終わってしまう......。
ある程度揃ったあたりで妥協して、見切り発車しないと駄目かもしれない。(2020/08/06)


aquaeroで制御しようとしているFan(今は、4chのFanコン x2とM/Bの機能でコントロール中)
・(DC制御)230mm x4[MO-RA 3 420 LT]、200mm x4[CASE]
・(PWM制御)140mm x2[CASE]、40mm x2[その他] の全12個です。

現在使用しているもの
Laing DDC x3(3台のPCで使用中)
3つとも使用期間は10年を余裕で超えていますが、不具合は一切ありません。

なんとなくメインPCのPumpをD5 NEXTに交換してみようと思い立ちひたすら興味のままに調べていました。(事前調査でひたすら調べまくるこの時期がまた妙に楽しい...)
2ndと3rd PCのDDCはこのまま続投しますが、メインPCで使用しなくなるDDCと組み合わせて(昔使っていた)Dual Pump Modを2nd PCで使用する予定です。

  ① Fanの分岐(4ピン)ケーブルとaquabusの分岐(4ピン)ケーブルの違いについて

※外見が非常によく似ていて紛らわしいのですが、この2つは流用できませんので間違えないようにしてください。

Fanコネクタのピンアサイン
[]内はaquacomupter製のケーブルで使用されている線の色
ピン1: GND [黒]
ピン2: 12 V [赤]
ピン3: 回転数 [黄]
ピン4: PWM信号 [青]

aquabusのピンアサイン
[]内はaquacomupter製のケーブルで使用されている線の色
ピン1: GND [黒]
ピン2: SDA [緑]
ピン3: SCL [白]
ピン4: +5 V [赤]

※コネクタの形状は両方とも同じです。(よくあるPWM対応のFanコネクタそのもの)

・Fanの分岐ケーブルY-splitter for 4-pin fans(Product No: 53248) ⇒ ここ
写真をみればわかるように、
Y字の根元は、黒赤黄青(4本)で、片方は 、黒赤黄青(4本) もう片方は、黒赤[N/A]青(3本)
2分岐していてもFanの回転数を送り出すピン3(黄)が結線されていている場所は一か所だけになります。(2分岐の片方には回転数を送り出すピンがない)

理由:
ピン3(黄)も結線されていると2個のFanの回転数がごちゃ混ぜになって送られてしまうのでまともな回転数を(aquaeroやM/Bが)検出できなくなってしまうため。

・aqubusの分岐ケーブルaquabus Y-connector 4 pins(Product No: 53124) ⇒ ここ
写真をみればわかるように、
Fanの分岐ケーブルとは異なり、全ピンが結線されています。
Y字の根元は、黒緑白赤(4本)で、その先も両方とも 、黒緑白赤(4本)

備考:
市販のFan用分岐ケーブル(いわゆる Yスプリッターなど)は、最初に書いたように全ピン結線されてるわけではないので流用できません。買い忘れてしまって国内でどうにかしようする場合は、
自作(秋月電子、千石電商、マルツにいけばコネクタとかで売ってます)するか、arduino用として売られているワイヤー類かブレッドボード用のジャンパワイヤなどが比較的入手しやすいと思われます。

  ② aquabusについて

I2C接続なので、1:多の接続が可能。
特定の機器(⑤のセンサー)を除いて、一つのaquabusコネクターに対して(純正パーツとして用意されているのだと、最大9分岐(Product No: 53231))分岐して使用できる。
aquaeroがMasterになり、aquabusに繋がっている各機器(Slave)に対して、順番に応答確認をとっていきます。

イメージ的には、aquaeroが各機器に対して
何番さんいますか?いたら返事してください ⇒ 待ち時間 ⇒ 返事あり
何番さんいますか?いたら返事してください ⇒ 待ち時間 ⇒ 返事なし
をひたすら繰り返して順番に確認していきます。

一度応答があった機器は、aquaeroのコントロ-ラー(32bitのRISCプロセッサー)のFlash ROM領域に記憶されるので認識が早くなります。
(逆にいうとおそらく最初のsetup時には全部認識されるまでそこそこ時間がかかると思われる)

aquaeroのメインプロセッサー(MCF51JM128VLK)の仕様書 ⇒ ここ

  ③ aquabusの3ピンと4ピンケーブルの違いについて

aquabusのピンアサイン
[]内はaquacomupter製のケーブルで使用されている線の色
ピン1: GND [黒]
ピン2: SDA [緑]
ピン3: SCL [白]
ピン4: +5 V [赤]
 
3ピンは、ピン1のGND、ピン2とピン3のデータのやり取りに使用される必要最低限なもの。
・aquabus Y adaptor 3 pins(Product No: 53063) 5cm ⇒ ここ
・aquabus / RPM signal cable 3 pins, 15 cm(Product No: 53161) ⇒ ここ
・aquabus / RPM signal cable 3 pins(Product No: 93111) ⇒ ここ

4ピンは、上記の3ピンに電源用(5V)のピン4が追加され、電力を供給できるようになっています。
・aquabus Y-connector 4 pins(Product No: 53214) 10cm ⇒ ここ
・aquabus cable 4 pins, 15 cm(Product No: 53162) 15cm ⇒ ここ
・aquabus cable 4 pins(Product No: 53122) 70cm ⇒ ここ
・aquabus cable 4 pins for VISION, OCTO, QUADRO, D5 NEXT(Product No: 53214) 70cm ⇒ ここ  ※53214は、aquaero と D5 NEXTなどをaquabusに繋ぐ場合は必要になります。
(上にある他の3つのものとはコネクタの形が違う)

例:
MPS Flow Sensor(Product No:53130(100)、53131(200)、 53132(400))はUSB接続とaquabus接続が選べます。
このセンサーに付属しているケーブルは3ピンなのでMPS Flow Sensor本体に電源の供給ができません。
そのためUSBでPCへ接続するつもりがなくても、電源(5V)を供給するためにUSBも必ず繋ぐ必要があります。
しかし、別売りの、aquabus cable 4 pins(Product No: 53162、53122)を使用することで、ケーブルから電源(5V)が供給されるようになるのでUSBを繋ぐ必要がなくなります。

  ④ フローセンサーについて

・Flow sensor high flow G1/4 for aquaero, aquastream XT ultra and poweradjust
(Product No: 53068 ) ⇒ ここ
流量の検知は、機械式です。
接続できる機器は、aquaero, aquastream XT ultra, poweradjust です。
※ aquabus接続のみ
これらの対応機器と接続するケーブルは別売りなので注意!
aquaeroの場合だと使用できるケーブル(3ピン)は、Product No: 53027、53100、53212
169回転すると1リッター流れたことになります。

・Flow sensor high flow USB G1/4(Product No: 53129) ⇒ ここ
流量の検知は、機械式です。
上のものにaquabusでの接続に加えてUSBでも接続できるように機能が追加されたものです。
※ USBでの接続ができるため、単独で使用できます。
USBケーブル(内部接続用)とaquabusと接続するケーブル(ただし、3ピン)の両方が付属しています。
別売りのaquabus用の4ピンケーブルを買えば、aquaeroから電力が供給されるので、USBケーブルを繋げずに使用できると思われます。

・MPS Flow Sensor
Flow sensor mps flow 100, G1/4(Product No: 53130) ⇒ ここ
Flow sensor mps flow 200, G1/4(Product No: 53131) ⇒ ここ
Flow sensor mps flow 400, G1/4(Product No: 53132) ⇒ ここ
流量の検知は、電子式です。
USB接続とaquabus接続に対応しています。
※ USBでの接続ができるため、単独で使用できます。
USBケーブル(内部接続用)とaquabusケーブル(3ピン)が付属しています。ただし、上の方で書いたように3ピンなため電力は供給されませんので注意してください。
(別売りの4ピンaquabusケーブルだと電力の供給が可能になるのでUSBを繋ぐ必要はなくなる)
このFlowセンサーには、内部にある気圧センサーのICに温度センサーが内蔵されていますが、クーラントに直接センサーが接しているわけではなく、
ユニット内の温度(表面のねじ止めされている蓋(アルミ?)の下にICがあってその空間の温度)を測定しているので、測定誤差や温度変化への反応速度や追従性に問題があります。
水温を知りたい場合は、別売りの2ピン式センサーを1つ接続できるのでそちらから測定することがユーザーのレビューで推奨されていました。
レビューは ⇒ ここ
内部にある気圧センサー(MP3V5004DP)のデータシートは ⇒ ここ

各数字の、100、200、400は一時間あたりに流れる流量の最大値を表しています。
100は、最低20 - 最大100 リッターの範囲
200は、最低40 - 最大200 リッターの範囲
400は、最低80 - 最大400 リッターの範囲

例として400の場合:
一時間当たり、最低80リッターの流量が確保できないループ
一時間当たり、最高で400リッターを超えてしまうループ
これらの条件に収まらないループの場合、測定された値の信頼性は低くなってしまいます。

簡易的な目安
400でタブン大丈夫なケース: ほとんどのループはこの条件なハズ...
Pumpに、DDCやD5を使用していて、
ラジエータが1~2個(120、240、360、420)とGFX x1、Monoblock x1の水枕の合計が2個程度。

200かもしれないケース: 上の条件に+αがある
メモリの水枕(選択肢はそこそこある)、
SSD用水枕(BarrowとかAquacomputer)、HDD用水枕(watercool)などが追加であったり、
重力に逆う下から上に流れる長い経路(水平に長い分にはあまり気にしなくていい)、QuickDisconnectを、2ペア以上使用(QDCは1ペアで平均的なCPUブロック一個分程度の圧損あり)
...など、圧損が発生する条件が積み重なった場合。
もしくは、これらの条件とは別にDDCやD5の回転数をある程度絞っている場合。

100かもしれないケース:
Pumpに、DDCやD5を使用しているが回転数を極端に絞っている。
DDCやD5もしくはその互換ではないPumpを使用していて、Pump自体が非力なケース。

雑学的ななにか:
私のループもそうですが、日本やアメリカの水冷は、一時間当たり100リッターを余裕で超えようにするのが一般的です。しかし、EU圏では、100リッター以下に抑え込むのが主流みたいです。
(100が製品としてあるのも、その関係っぽい)

参考までに:
KoolanceのINS-FM16とINS-FM17(両方とも機械式)を別々のシステムで使用しています。
メインPCの構成はDDC用のリザーバ兼用のポンプ用Modハウジング(通称、リザポン)、
Monoblock、GFX、240ラジエータ x2です。
このシステムで、DDCが一個の場合だと、2.3L/分なので 2.3*60 = 138L/時 ですが、
DDCを2個直列に繋いだ場合は、4.2L/分なので 4.2*60 = 252L/時 になります。
2ndマシンの構成は、Monoblockではなく、DDCリザポン、CPU、VRM、チップセット、GFX、240ラジエータ x2 ですが、メインマシンと似たような流量になっています。
3rdマシンの構成は、ZALMANのReserator 1(リザーバとラジエータ兼用(アルミ製)) ⇒ ここ
を無理やり使うために、EKのAXシリーズの水枕(アルミ製)とフィッティング(アルミ製)にDDCという(Pump以外は)とてもキワモノな構成ですが、流量計を付けていないので謎です。
Reserator 1はロマン溢れる外見ですが、GFXがGTX 660Tiの時点で、負荷をかけると強制冷却しない限りジリジリと水温が上がっていきます。(おそらく、このあたりが熱処理能力の限界)
ただし、Fanを使ってゆるゆるとフィンに垂直方向(真上から下に向かって)から風をあててやれば水温は下がります。

aquacomputerやKoolanceではないフローセンサーについて:
機械式の流量センサーから伸びているケーブルをM/BのFanコネクタに繋いで、
Fanの回転数の代わりに羽根車の回転数を送ることで使用する流量計があります。
これらの流量センサーをM/BのFan用コネクタに接続した場合、
Fanはそこまで低回転になることは想定されていないので(500rpm程度が下限値)、
一定の回転数を下回ると計測不可(0 rpm表示とかN/A)になります。
このことに対処するため、M/B(ASUSのROG系など)によってはフローメーターを繋ぐための専用のコネクタが用意されています。しかし、このコネクタでも検出の下限値は、200rpmです。

例:
少し上でも触れていますが、Product No: 53068 の場合、169回転で1リッター(1000ml)です。
検出されるには、フローメーター専用コネクタでさえ、200rpmに達する必要がありますので、
計算上、1184mlの流量が必要になります。

参考:
bykskiのフローセンサー ⇒ ここ
この記事を書いている最中にthermaltakeからフローセンサー(の改良版が)が発売されました。
ここ
TTは、(10年以上前にだしてた)フローインジケータでも、G1/4との接続口に問題がありました...。
ちなみに、当時使用していたこのフローインジケータはよくあるモナカ構造だったわけですが、
つなぎめに亀裂が入って水鉄砲になったことがあります。
ケース(ねじの締め付けトルクの設定が変なのかやたらと固くてインパクトドライバじゃないと怖くて緩められないとかはあれど)とか電源などではまともな製品が多いんですが、なぜかフローなんとか系は、妙なことになってるなぁと思う次第です。

aquacomputerやKoolanceのフローセンサーについて:
・aquacomputer: 機械式と電子式
aquaeroでの使用を前提とした製品、もしくは測定したデータをUSB経由でPCに送り込んで、
専用のアプリ(aquasuite)でデータを取り込んで表示するタイプ
取り込んだデータはアプリで加工され表示されるので、S/Wで機能の追加などが可能。
ただし、対応しているOSはWindowsのみ。

※ aquasuiteで使用しているチューブの内径(ID)を必ず指定すること

プリセットされているチューブの内径(ID)は、6mm(1/4インチ)、8mm 、10mm(3/8インチ) です。
私の場合、メインPCのループは、ID 10mm(3/8インチ)なので、プリセットからセットするだけで済みますが、ID 12.7mm(1/2インチ)やID 15.8mm(5/8インチ)などは、プリセットにないため自分で校正して追加する必要があります。
ちなみに、2ndマシンは、部分的にPush-Inを使用しているので、ID 7.5mm OD 10mmな場所があったりします。
また、今回途中まで組んでいるループも基本はソフトチューブなので、
ID 3/8" OD 1/2"ですが、PETGを曲げてみたいという自分でもよくわからない理由で部分的にハードチューブで、ID 10mm OD 14mmな場所があります。

・Koolance: 機械式のみ
流量計を専用のユニット(基板)に繋ぎ、このユニットにあるマイコンが計算した結果を送りだすタイプ(ユニットから伸びているケーブルの接続先は、Fanコネクタか、フローメーター専用のコネクタ)
そのため、Fanの回転数 = ml/分 なのでわかりやすいです。
こちらは、専用ユニットのDIPスイッチでチューブの内径を指定します。 ⇒ ここ
指定可能なチューブの内径(ID)は、6mmか10/13mmの2種類です。
残念なことに、これ以外の内径のチューブを使用したループの場合は、正確な流量を得られません。
しかし、H/W処理なため、OSを選ばないという利点があります。


フローセンサーまとめ
流量の検知が機械式な場合
・本体が斜めだったり、垂直に立てたりすると内部で回転している羽根車が回った時どこかに接触してクリック音がする。
・流量の検出に失敗して値が0になることがある。
・流量が多すぎると、羽根車が激しく回転してどこか(軸など)にぶつかりクリック音がする。
・物理的に羽根車を回す必要があるので多かれ少なかれ圧損がある。
・異物が羽根車の軸に詰まったり、経年劣化で軸がすり減った場合に支障をきたして水流が止まってしまう原因になる可能性がわずかながらあります。
とはいえ、機械式なフローメーターを10年以上使用していますが問題が起きたことはありません。

流量の検知が電子式な場合
・羽根車等の機械的に動作する部分はありませんが、測定に2点間の圧力差が必要なため流路内に少しだけ絞りがあります。そのため、機械式ほどではありませんが圧損があります。

※注意点!
流量ではなく(ピトー管で)流速を測定しているため、センサーユニットの前後に流速を乱す要因があると測定誤差が増えます。
(1) センサーユニットの前後に経路の細い部分があると流速が変化するので測定誤差が増えます。
(2) センサーユニットとの接続部分(IN/OUT)に角度付きのフィッティングがあると水流が乱れて測定誤差が増えます。
(3) 流速を均一に保つため、センサーユニットの前後5cmは直線にする必要があります。
ユニット前後で10cm + 本体の幅(3.4cm) + IN/OUTにつけるフィッティング(1cm x2)を合計すると15cm程度になります。
外ラジでは難しくありませんが、内ラジで直線部分を15cm確保するのは結構難しいと思うので注意してください。

・上記の制限があるかわりに(羽根車などの)機械的な部分はありませんので、
センサーユニットの設置に関する自由度は高いです。(縦横斜めでも問題なし)

メモ:
流速を測定することで、なぜ流量がわかるのか?
チューブ内をクーラントが流れていく速度を測る。 ⇒ 速度をチューブの内径にあわせた流量のデータテーブルと照合

  ⑤ Calitemp digital temperature sensor internal/external thread G1/4 for aquaero 5/6(Product No: 53257)について ⇒ ここ


この温度センサーは、この手のセンサーではよく見かけるサーミスタから線が2本生えているタイプのものではないので、aquaero 5/6専用です。aquabusに接続して使用します。

M/Bに繋ぐときに使用する汎用的な2ピン式の温度センサー
・ASUSのROGシリーズなどで外部温度を得るために付属している、2本線のもの
・一般的なFanコンに付いている2ピンコネクタ用のセンサー
・aquacomputerの2ピンコネクタの温度センサー
・Bitspowerなどが出している2ピンコネクタの温度センサー ⇒ ここ
などが接続できます。
ただし、2ピンだからといって必ずしも仕様が共通とは限りません...。
しかし、実際のところPC向けとして市販されているものは余程のことがない限り問題なく使えます。

参考までに:
aquacomputerの場合は説明に >Sensor inputs of many motherboards の表記があります。
aquacomputerの純正品で揃えたい場合は、Product No: 53219、53067、53066、53218、53025、53220、53147、53026、53211、53227 になります。 ⇒ ここ

※注意!
aquaero側に実装されているコネクタの形状の関係でaquaeroに接続できないものもこのリストには含まれています。
aquaeroに使用する場合は、必ずaquaero対応のものを選んでください。
(間違って買ってしまっても、コネクタを自分で付け替えれば使えるようになるとは思いますが、手間ですし...)

備考:
一般的に2ピン式の温度センサーの解像度は、0.1℃刻みです。
本当は1℃しか上がっていないのに3℃上がってることになってたり、10℃までは、0.1℃刻みで結構正確だったのが20℃超えたら0.2℃刻みになったりと反応がリニアではない個体も結構あります。

53257の場合は、-5 °C から 50 °Cの範囲だと測定誤差は +/- 0.2 °Cで測定の解像度は、0.01℃刻みです。レビュー見てるとこの製品もどうやらそこそこ個体差はあるみたいですが2ピン式よりバラつきが少なくて反応もリニアみたいです。

※どちらのセンサーも、温度校正が必要です。
目安程度の扱いなら気にしなくても問題ありませんが、思っている以上にサーミスタの個体差は激しいです。(2~4度のずれはザラ)
せっかく使うならある程度は信用できる値で確認したいと思うので、
比較的ラクでお手軽な温度校正の方法↓。

100円ショップで売っている小さめの発泡スチロールの箱のてっぺんに可能な限り小さい穴をあけて貫通させ電子体温計の測定部分を差し込む。
中に校正したいセンサーを入れてしばらく放置して温度に馴染ませてから、
体温計のスイッチを押して温度を測る。
次に、小さめのホッカイロをタオルでくるんで中にいれて、温度が安定してきたら同様に値を測る。

体温計を使うのは、身近にある温度計の中ではおそらく測定誤差が一番少ないのと0.1℃単位で測れて、お手軽な値段で買えるし本来の用途でも使えるからです。(無駄にならない、これ大事)

注意点その1:
各センサーの温度校正をしたあとに別のコネクタに接続し直したりしないでください。校正をかけたコネクタから差し替えてしまうと、意味がなくなります。

注意点その2:
使用する体温計に注意してください。
対象が、人間ではないので予測値だけの製品では意味がありません。
短時間測定では予測結果を表示して、そのまま測定を継続した場合は実測に移る体温計と
予測結果しか表示しない体温計の2種類があります。

・一個だけaquaeroに繋ぐ場合は不要ですが、このセンサーを2個以上繋ぐ場合には、
aquabus X4 for aquaero 5/6(Product No: 53258)が必要になります。⇒ ここ
これを使うとaquabusを4つまで分岐できるようになります。
※ この製品は、信号を単に分岐をしているわけではなく、基板に実装されている制御ICが(タブン)MUX(マルチプレクサ)処理をしています。

※注意!
aquabus Y-connectorを使用しても、分岐先に2個繋ぐことはできません。1つのaquabusコネクタに対して繋ぐことができるこのセンサーの数は一個だけです。
ただし、Y-connectorの一方にこのセンサー、空いているもう片方に別のaquabus対応製品を繋ぐことはできます。
また、SPLITTY9 splitter for up to 9 fans or aquabus devices(Product No: 53231)のジャンパをaquabusモードにしても、繋ぐことができる数は一個だけです。
(残りの8口にこのセンサーを繋ぐことはできない)

備考:
Real Time Clock expansion module for aquaero 5 and 6(Product No: 53127)には、
aquaeroに電源が入ってなくても時計機能を有効にする機能のほかに、aquabusを2分岐させる機能もありますが、aquabus X4 for aquaero 5/6(Product No: 53258)とは異なり、特記事項に書いてありませんので、分岐先にこのセンサーを2個接続することはできないと思われます。

  ⑥ Real Time Clock expansion module for aquaero 5 and 6(Product No: 53127)について

かなり前(10年以上)からPCの電源が切れていてもUSBには、電源が供給されるようになっているので(5V SB)、aquaeroとPCを繋ぐ場合は、USB経由で(5Vが)aquaeroにも供給されるので、基本的にこれが必要になることはないと思います。
(aquaeroをPCと繋がずに、スタンドアローンで使うなら必要になる)
このRTCユニットとaquaeroで時刻の同期をとるには、aquaero自身に5Vと12Vが供給されている必要があります。
そのためPCが起動していなかったりスタンバイ中だと12Vが供給されていないので、時刻の同期がとれません。
また、aquabus X4 for aquaero 5/6(Product No: 53258)と同時に使用する場合、亀の子のようにスタック(重ねて)かっこよくaquaeroと接続できないので間に、
aqubusの分岐ケーブルaquabus aquabus cable 4 pins(Product No: 53122か53162)を挟む必要があります。

  ⑦ SPLITTY9 splitter for up to 9 fans or aquabus devices(Product No: 53231) と SPLITTY9 ACTIVE - active splitter for up to 9 PWM fans(Product No: 53283)の違いについて

どちらも共にFanの分岐に使用できます。
Product No: 53231(製品名にACTIVEの文字が"入っていない"ほう)は、ジャンパを切り替えることでFanの9分岐(DC(電圧)制御とPWM制御の両方に対応) か aquabusの9分岐に使用できます。

・Fanの9分岐に使う場合は、ジャンパをFan分岐モードにして、aquaeroのFanコネクタかM/BのFanコネクタへ接続します。
※注意! Fanコネクタの最大許容W数に注意してください。

・aquabusの9分岐に使う場合は、ジャンパをaquabusモードにして、aquaeroのaquabusコネクタに接続します。

Product No: 53283(製品名にACTIVEの文字が"入っている"ほう)は、直接SATAコネクターを繋ぐのでFanの電源はここから供給されます。
そのためSATAコネクターの規格上の上限(4.5A(12V *4.5A)=54W)までFanを繋ぐことが可能になります。
気を付けなければならないのは、この製品で制御できるのは、PWM制御のFanのみです。DC制御のFanは制御できません。
この製品の最大の特徴は、M/BのFanコネクタにある使用可能なW数の制限がなくなることと、
メーカーやM/Bの世代、多種多様なFanもしくはFan自体の個体差によってBIOSからどんなに回転を絞ってもFanを完全に止めることができない場合があります。
そんな場面に出くわしてもこのスプリッターを経由させて、(青い)ダイアルを回して調整することでFanを完全停止させることができるようになります。
また、この機能とは別に、単純なパッシブ スプリッターの場合(Y分岐ケーブル等)、PWM信号が繋がっているFanの数だけごちゃ混ぜになってM/BのFanコネクタへ送られます。
ある程度まではM/B側も許容できると思いますが、少なからずFanの制御回路に不要な負荷をかけています。
このアクティブスプリッターは、これらのごちゃ混ぜなPWM信号を整えてM/Bのコネクタに送り出すようになっています。
aquaeroを使うほどFanの制御は必要ないけど、どのM/BでもFanを完全停止させたい場合は、
この、名前にACTIVEがついている方を使用するといいかもしれません。

  ⑧ HUBBY7 internal USB 2.0 Hub(Product No: 53230)について

これは、内蔵用の7分岐USB Hubです。
このHubは、電源の供給先をジャンパで切り替えることでUSBから取るか接続したSATA電源コネクタから取るかを選ぶことができます。
注意点として、aquaeroをこのHubに繋いだ場合、Hubのジャンパ設定をUSBからにしている場合(バスパワー)は
PCの電源を落としていてもaquaeroにUSB経由で電気が供給されるので、上のReal Time Clock expansion moduleが必要になることはありませんが、
ジャンパの設定をSATA電源コネクタに切り替えていると(セルフパワー)、PCが起動していない場合はSATAコネクタにも電気が来ていませんので、aquaeroに電気が供給されなくなります。
そのため、⑨で触れているリモコンで電源ONが動かなくなると思われます。
(LTの場合はこれらの機能はないので関係ないような気もしますが...)
このHubに限りませんが、PCが起動しているか否かで電源の供給が変わるHubについては気を付ける必要が少しあるかもしれません。
ちなみに、同様の製品であるNZXTの内蔵Hub ⇒ ここ もセルフパワーの場合、ペリフェラル4ピンから電源を取るので、HUBBY7と同じ状態になるかもしれません。
ただし、NZXTの製品の場合はジャンパなどがないので、バスパワーモードとセルフパワーモードの切り替えがシームレスで行われこの問題はないのかもしれません。
(PCが起動中は、ペリフェラルとバスパワーの両ソースで動いてて、PCの電源が落ちると自動的にバスパワーモードに切り替わる)
基本的に、内蔵Hubにセルフパワーが必要になるような機材は通常使用しないので気にする必要はないのかもしれませんが...。

  ⑨ aquaero LT、PRO、XTの違いについて

・USB接続、液晶あり、本体にある3つのボタンはタッチ式(フェイスパネルがスッキリ)、リモコン付属(赤外線の受信機能あり) ⇒ XT (5インチベイに設置)

・USB接続、液晶あり、本体にある3つのボタンは物理スイッチ式(フェイスパネルに物理ボタン3つ)、リモコン別売り(赤外線の受信機能あり) ⇒ PRO (5インチベイ設置)

・USB接続、液晶なし、本体だけでは操作不能(ボタンなし、USB接続必須)、リモコン別売りで使用も不可(赤外線の受信機能なし) ⇒ LT (別売の5インチベイ金具で設置可能)

当初はケース(thermaltakeのLevel 20 XT)に5インチベイがないのでLTを買おうと思っていましたが、XTかPROだと、リモコンの押したボタンをそのままPCに送り出す機能があるのでOSを操作することができます。
そのため、このリモコンそのものがワイヤレスキーボードやマウスとして使用できます。

※ XT(付属)とPRO(別売りのリモコンを買う必要あり)は赤外線の受信モジュールがあるので使える。LTは根本的に赤外線の受信モジュールがないので使えません。

aquaero本体の設定をするためにボタンを押したのか、OSなどを操作するために押したのかをボタン一つで随時切り替えることが可能です。
赤外線がケース側板のガラスをどの程度まで透過できるかわかりませんが、
結構使いやすそうなリモコンなので便利なんじゃないかと思っています。
(今は、PS3のリモコンをBluetooth接続で使用しています)
この機能は、 aquaeroのコントローラーに載っているチップが持つUSBキーボードコマンド送出機能を使っているのでH/Wで実装されています。そのためM/BのBIOSの操作にも使用できます。(aquasuiteなどのソフトウェアが起動している必要なし)
また、他の機器のリモコンをaquaero XTかPROにラーニングさせて、その信号を受信したら、特定の制御をaquaeroにさせることができるみたいです。
例えば、エアコンのリモコンの電源ONボタンの信号をラーニングさせて、この信号を受信したらある程度室温が下がることを見越して、とりあえず30分後にFanの回転数を落とすとか、
照明器具のリモコンの電源ボタンをラーニングさせて、照明を消したら問答無用で、Fanを全部とめてしまうとかもできます。
また、リモコンを使って、PC電源のON/OFF(デフォルトではこの機能は無効化されている)もできます。
リモコン周りの機能を使いたい場合、XTかPROになるんですが、ケースに5インチベイがないので赤外線が通りそうなあたり(Front、LR、Topがガラスなので)にaquaeroを転がしておこうかと思っています...。

備考: aquaeroのpdfマニュアルの 24.5より
aquaero5と6のLTは、専用のファームウェアを書き込むことで、aquabus拡張ボードにできる。
その場合、USB機器として一切認識されなくなり、Masterになる機器からaquabus経由で使用します。
専用ファームウェアが書き込まれた、LTの供給する機能は、Fan出力 x4、温度センサーの入力 x4、フローセンサーの入力 x1 みたいです。
aquaeroで大量にセンサーを使いたい場合は便利なのかもしれない。

便利な豆知識:
aquaero 5か6のXTを買って液晶をとった場合は、LTとして使えるの?
答え: LTとして使える。
ただし、aquasuiteのライセンスを登録するときに、必ず液晶を付けた製品として本来の状態で有効化しないと、XTが本来持つ有効期限(30か月)にはならず、LTの期限(18か月)で有効化されてしまいます。やり直しはできないみたいなので、注意してください。
 ちなみに、PROの有効期限は、LTと同じ18か月です。

  ⑩ aquaeroへaquabus経由で機器を繋ぐ利点

aquaero XTやPROは、このユニット単体で各センサーからの入力に基づいた挙動の設定が可能です。(aquasuiteがなくても設定できる)
ただし、Fanのカーブコントロールなどを保持しておけるプロファイル数がaquasuiteより少なくなります。(LTには、操作ボタンがないのでユニット単体での設定はできません)

最近のM/Bは、内部接続用のUSB 2.0コネクタが多くて2個なため、aquaeroと(対応しているなら)aquabus経由で接続すると各センサーを個別にUSB端子に繋ぐ必要がなくなるので使用する数を減らせる利点があります。
ただし、センサーデバイスは扱うデータ量はそれほど多くないので帯域幅的にaquabusで足りますが、OCTO、QUADROはFanのカーブコントロールとRGBpx、D5 NEXTはRGBpxの制御に対応しています。そのためaquabusの帯域幅では足りませんので必ずUSBでの接続が必要です。
また、ファームウェアのアップデートに対応している機器の場合、aquabus接続ではできません。(USB接続でしかファームウェアのアップデートはできない)

デバイスの持つ全機能をいかんなく発揮させるには、USB Hubを増設してUSBも繋ぎつつ、aquabusでも繋いでおくのが最善ではないかと思います。

※ USBとaquabusの両方が繋がっていることで問題が発生することはありません。
※ farbwerk 360をaquabus経由で接続することを考えているかたに注意事項があります。
詳細は、"⑬ aquaeroでマイナス要素と思うところ" を参照してください。

  ⑪ aquaeroとOCTO、QUADROの違い

aquaero 6は、Fanコネクタの4箇所すべてがDC制御とPWM制御の両方に対応しています。
aquaero 5は、Fanコネクタの4か所の内、3箇所がDC制御専用で残りの一か所だけがDC制御とPWM制御の両方に対応しています。

備考:
aquaero 6もしくは5に繋ぐFanをDC制御で使用する場合は、必ず純正のヒートシンクを付けたほうがいいです。
aquaero 6の場合は(Product No: 53164(黒いヒートシンク)、53158(赤いヒートシンク)のどちか)
更にこのヒートシンクを付けると上にWaterblock for aquaero 5, G1/4(Product No: 53093)を付けることができます。
私はDC制御するFanが多いので購入リストに入っています。以下はその理由になります。

200mm Fanのデータシートをいくつか確認してみたところ消費電力は最大値で、
0.16A +- 10% ワーストケースを採用するので、0.176A * 12V = 2.112W これを4つ使用するので、2.112W * 4 = 8.448W
230mm Fanのデータシートをいくつか確認してみたところ消費電力は最大値で、
0.20A +- 10% ワーストケースを採用するので、0.22A *12V = 2.64W これを4つ使用するので、 2.64W * 4 = 10.56W
合わせて、19.008W(DC制御しつつ、Fanを完全に停止した場合)
このときaquaeroがDCをカットするのか一般的なFanコンみたいにレギュレータで熱にして放熱させるのかは実機がなく回路を追えませんので謎ですが、
20W程度の熱が発生しかねないので水枕を付けることにしました。(趣味成分多め)
(基本的に20W程度なら(風がちょっとでもあれば)ヒートシンクで十分間に合います)
aquaero 5の場合は、Waterblock for aquaero 5, G1/4(Product No: 53093)に付け替えることをおススメします。
5に対して6はFanに電源を供給する回路がかなり変更されていますので、たいていの場合、ヒートシンクだけで大丈夫ですが、5はユーザーのレポートを見る限り、壮絶な発熱をするらしいので、水枕はあったほうがよさそうです。
DC制御でもFanの回転をコントロールする必要がない = 全力回転のまま、もしくはほんの少ししか回転を絞らない場合は、あまり制御回路は発熱しません。

豆知識:
DC制御でFanの回転をコントロールする大雑把な仕組みは以下の通りです。
例えば12VのFanで回転を絞るために、9Vにしたとします。
12 - 9 = 3なので、3V分だけFanに電気を送る必要がなくなるので熱に変換します。
こんな仕組みなため、Fanコンにとって一番負荷がかかる制御は、
Fanを完全に停止させているときになります。(12Vをまるごと熱にして逃がす必要がある)

長いので短く!
Fanに送る電気を止めているわけではなく、Fanに送る電気を熱に変換してせき止めているだけです。

PWM制御でFanの回転をコントロールする"超"大雑把な仕組みは以下の通りです。
(お願い: この説明に関しては細かい突っ込みをしないでください)
Fanに電気を流すと回転しますが、回っているときに電源を切ってもしばらくは慣性で回っています。
この電源を切ることを超細かく(秒間、数千から数万回)制御しつつFanの回転数の検知機能と連動させているのがPWM制御です。そのため、回転のコントロール時は、単純に電源をOFFっているので熱が発生しません。

上の文章は(分かり易いかもしれないけど)かなりアレな説明なので、
きちんとしたことを知りたい場合は、検索Keyに、 "PWM モーター" で検索してください。 

OCTO(Fanコネクタ数8個)とQUADRO(Fanコネクタ数4個)は、PWM制御に特化しているので、DC制御はできません。
おそらくこの2製品に、PWMではないFanを付けた場合、単にFanは全力回転するだけで制御できないと思います。(Fanコンの意味がない状態)

備考:
PWM制御が可能なFanが主流になりつつあります。
120mm、140mmまではかなり選択肢がありますが、200mmや230mmだと選べるほどありません。
200mmはnoctuaかThermaltakeの製品、230mmに関してはDC制御のFanしかありません。
(noctuaはものはいいんですが、いいお値段がする...。(Fan沼にようこそ)ただし、もはやFan界のリファレンス扱いになってるみたいで、
FanコンやM/BのFan制御機能と組み合わせたときに一番問題が起きにくいです(狙った回転数に合わせやすいなど))
ケースやラジエータを含めて、すべてのFanをPWM制御で揃えられる場合は、aquaeroではなくOCTOで制御できます。
しかし、私みたいに、MO-RA 3 420に、230mm Fanを4つの場合、選択肢はありません...。
一応、裏技的に、AINEXのCA-PWM ⇒ ここ を挟んでPWM Fanとして仕立ることは可能です。
(最大出力は、1Aなので12V * 1A = 12W)
(すごく便利そうなんですが)このユニットは結構発熱するらしく不安なのでいまいち試してみようという気になれませんでした。どこかに詳細な分解写真があればわかるんですが...。

  ⑫ poweradjust 3 USBについて

この製品はDC制御専用でPWM制御には非対応です。
私みたいに、10年以上も前のDDC(当時、PWM対応のDDCはまだなかった)を使っていたり、
PWMに対応していないD5、もしくは、なんらかの理由により、PWM対応なDDCやD5をDC制御したい場合に使用します。(PWM制御の製品(FanとかPump)は、DC制御でも使うことができます)
PWM制御をやめてDC制御で使う場合、DDCやD5なら電圧と回転数の相関グラフが資料として公開されていますのである程度はわかりますが、基本的には非公開な製品が多いので、電圧を下げた場合に回転数がどうなるかは試してみないとわかりません。

ヒートシンクはオプションですが、かならず付けてください(必須だと思う)

備考:
DDCは(DDC自身が制御しているので)電圧を下げてもリニアに回転数は変動してくれません。
※ 調整可能な範囲は、おおよそ50% - 100%まで
100% 4200rpm
90% 4000rpm
80% 3500rpm
70% 3000rpm
60% 2500rpm
50% 1900rpm
※ 50%だと、スピンアップに失敗することがあるので、60%以上の値で始動させてから50%に下げることを推奨

・poweradjust 3 USB, ultra version と poweradjust 3 USB, standard version の違い
このユニットに付けられる温度センサーの値に応じた制御をすることが、
できる ⇒ ultra version
できない ⇒ standard version
standard versionは、別売りのアップグレードパスを買うことでultra versionになります。

  ⑬ aquaeroでマイナス要素と思うところ

aquaeroが発売されたのは、2013年です。
そのため、製品としては熟成されこなれていますが、如何せん古いので、LEDを使った電飾をする場合、アドレサブルLEDには対応していません。
メーカーが用意している対応機器は、Product No: 34930 だけです。
PCをLEDで電飾することに実用性をあまり感じていないけど、CPUの負荷や水温などで条件に従ってパッと見てわかるようにLEDを制御して
アラート代わりに使う場合には、下記の別売りの製品で制御するのがいいみたいです。

12V系のLED(ちょっと前までの主流)
・farbwerk USB, aquabus version
・farbwerk USB, Bluetooth and aquabus version

5V系のアドレサブルLED(現在は、こちらに移りつつある)
※"RGBpx"系の製品の場合、aquabus接続では制御に必要な帯域幅が足りないため、USBで接続する必要があります。
・farbwerk 360 ※USB接続必須
・farbwerk nano (internal か external) ※用意されている接続方法は、USBのみ
・QUADRO
・D5 NEXT Pump (LEDの制御端子は、aquabusの端子も兼ねているので、両方を同時に使用する ことはできない。(排他))
・OCTO

  ⑭ D5 NEXT Pumpについて

特徴:
主機能であるD5 Pumpに以下の機能が追加されます。
・OLEDディスプレイよる水温や流量などの表示機能
流量の表示機能は、ポンプ内に羽根車や圧力センサーがあるわけではなく、モーターのパラメータ(回転数?)から計算された値です。
そのため、別売のセンサーほど正確性はありませんが、目安にはなります。
内部に内蔵されている温度センサーは、クーラントに直接触れているので、反応速度や温度の追従性に優れています。
・物理ボタン3つと、タッチセンサー対応のスライダーがあるので、本体だけで各種操作が可能
Pump自体の回転数をコントロ-ルすることもできます。
なお、回転の制御は、内蔵の制御基板経由でPWM(デューティー比の変化)で行われています。
・別売りのアドレサブルLEDテープ(RGBpx)に対応しています。(5VのアドレサブルLED)
・aquabusを搭載しているので対応機器と接続可
注意! コネクタを接続する場所が同じなので、アドレサブルLEDのコントロール機能とaquabusの接続を同時に使用することはできません。(排他)
・PWM Fanを接続してコントロール可能(最大25Wなので、25W÷12V=2.08A)
一般的な120mm Fanだと消費電流は0.13A程度、12V×0.13A=1.56Wなので、25W÷1.56W=16
そのため16個程度のPWM Fanなら制御できます。
注意! DC制御には対応していません。
・水流が停止した場合、アラート音を出す機能を搭載
・PCとUSB 2.0で接続すると専用のアプリ(aquasuite(Windowsのみ))からGUIで操作可能
・電源との接続は、SATAコネクターなので汎用性が非常に高いです。
ある一定以上のグレードにしか搭載されていないPump用のコネクタを考慮しなくて済むので、M/Bの選択肢が増える。
Pump用のコネクタがあったとしても許容W数的に大丈夫かどうかなど気にする必要もないのでこれまたM/Bの選択肢が増える。
M/Bのメーカーを変えると対応するアプリを変える必要があるのでUIが変わってしまったり、妙に不安定なメーカー製アプリをだましだまし使う必要もない。


  最後に、まったく水冷とは関係ないネタを2つほど...

データLogというか行動履歴的なものを見るのが好きな人にはこの2つが刺さるかもしれません...
・あの頂をめざせ! ぐれいと ⇒ ここ
・HOLUXのGPSロガーで、M-241とか ⇒ ここ